共用部LED化の費用目安と耐用年数

 管理費削減のため、共用廊下やエントランスの蛍光灯・白熱灯をすべてLED照明に交換したいと考えています。LED化にかかる初期費用(導入費用)の目安はどれくらいでしょうか。また、LEDの実際の耐用年数は公称値通りなのか、交換工事のサイクル設定で注意すべき点があれば教えてください。

 共用部の照明をLED化することは、もはや管理費削減の手段というよりも、建物の維持管理における必須の対応となっています。特に現在の状況下では、早期の交換を強く推奨します。LED化が急務である理由は、従来の蛍光灯や水銀灯の多くが、国際的な環境規制や国の政策により製造・販売が終了に向かっているためです。今後は交換用のランプ自体が入手困難になるリスクがあり、電球が切れるたびに高額な工事費用をかけて代替品を探す事態になりかねません。

 導入費用については、既存の器具をそのまま利用する「ランプ交換型」よりも、器具本体ごとLED専用品に交換する「ユニット交換型」を推奨します。初期費用は高くなりますが、この方式が最も高い省エネ効果と長寿命を得られ、将来的なメンテナンスコストを極限まで抑えることができます。費用目安は、共用廊下・階段の器具一箇所あたり、数千円から1万円台(工事費込み)が目安になります。

 耐用年数に関してですが、LEDは「4万時間」という公称寿命を持ちますが、これは光が弱くなるまでの時間です。実際には、LED本体よりも電源回路などの器具本体の寿命(一般的に10年から15年)が先に尽きます。したがって、LEDの寿命を過信せず、次回の第2回大規模修繕の周期(約12~15年)に合わせて、ユニットごと一斉に交換するサイクルを設定することが、最も経済的かつ効率的な方法となります。

 初期投資は必要ですが、削減できる電気代とメンテナンス費を試算すれば、通常5~7年程度で投資回収が可能となるケースが多いです。このメリットを住民に明確に示し、早期の決断と実行を強くお勧めします。

(回答者:TK)