昼間の生活騒音に関する苦情が増えています。管理組合として、新たな生活ルールを設けるべきでしょうか。
私は理事をしています。リモートワークの普及で「日中の子供の足音が気になる」「オンライン会議の声がうるさい」という苦情が増えました。今まではお互い様だった昼間の音が問題になっています。管理組合として新しいルールを設けるべきでしょうか。
ご相談のケースは、ライフスタイルの変化が引き起こした典型的な問題であり、多くのマンションが直面している新たな課題かもしれません。
まず前提として、子どもの足音や通常の会話といった「生活音」は、お互い様(受忍限度内)とされる範囲が広く、特に日中の音を規約や細則で具体的に「禁止する」といった厳しいルールを設けることは非常に困難です。例えば「日中のオンライン会議を禁止する」といったルールは現実的ではありませんし、住民間の対立を深める危険性もあります。
管理組合としてまず取り組むべきは、ルールの厳格化ではなく、現状の把握とマナーの啓発です。
最初に、全戸を対象としたアンケート調査を実施し、「どのような音が、どの時間帯に、どの程度気になるか」「リモートワークを実施している世帯はどのくらいか」といった実態を客観的に把握することをお勧めします。
その上で、掲示板や広報誌を通じて「在宅勤務の方が増えています。お互いの生活音へのご配慮をお願いします」といったマナー啓発を粘り強く行うことが最も現実的で重要です。その際、「厚手のカーペットや防音マットを敷く」「室内用スリッパを使用する」「オンライン会議ではイヤホンを使い、声量を抑える」など、具体的な配慮の方法を例示するとより効果的です。
新たなルールで縛るのではなく、生活様式が変わったことを全住民で共有し、お互いが快適に過ごすための「気づき」を促す活動から始めるべきではないでしょうか。
(回答者:TK)


