長期修繕計画の作成・見直しは最低何年周期で行うべきですか?
私は理事会の会計担当です。当マンションは築18年で、5年前に1回目の大規模修繕工事を実施し、その際に長期修繕計画も一度見直しました。しかし、最近の物価高や建築費の高騰を見て、計画通りに積立金が足りるのか不安になっています。専門家に聞くところによると、計画は定期的に見直す必要があるそうですが、一般的に何年おきに見直せば良いのでしょうか。また、計画の期間は、マンションが建っている限りずっと設定し続けるべきでしょうか?
長期修繕計画の定期的な見直しに着目されたことは、会計担当理事として大変重要で適切な判断です。特に建築費が高騰している現在の状況下では、計画の見直しは欠かせません。
計画の見直し周期についてですが、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、建物の劣化状況や社会情勢の変化を反映させるため、最低でも5年ごとに計画を見直すことが強く推奨されています。これは、前回の工事から時間が経つことで判明する予期せぬ劣化や、直近の修繕工事費用の実績を計画に反映させるために必要なサイクルです。
また、5年を待たずとも、今回のように建築物価が急激に変動した場合や、計画外の大規模な修繕(例:給排水管の更新など)が発生した場合は、積立金の不足を防ぐため、速やかに臨時で見直しを行うべきです。
次に計画期間ですが、マンションが存続する限り設定し続けるのが理想です。ガイドラインでは、最低でも大規模修繕工事を2回以上含む30年以上の期間で計画を策定することが望ましいとされています。これは、2回目以降の工事で必要となる費用を事前に見込み、修繕積立金の設定が長期的に適切かを検証するために不可欠です。
計画の見直しは、単に数字を書き換えるだけでなく、積立金の根拠を明確にし、全居住者に理解と合意を得るための重要なプロセスです。物価高騰を反映した見直し案を専門家と作成し、住民説明会などで丁寧に共有することをお勧めします。
(回答者:TK)


