専用庭・ルーフバルコニーでの物置設置等の制限

 当マンションでは、専用庭やルーフバルコニーに物置を設置している居住者が複数おり、景観や、避難経路の確保の観点から問題視する声が上がっています。これらの場所には専用使用権が設定されていますが、管理組合は規約を改正して物置の設置を全面的に禁止したり、サイズを制限したりすることは可能でしょうか?法的な根拠と対応手順を教えてください。

 専用使用権が設定されている庭やバルコニーであっても、管理組合は規約や細則によって物置の設置を制限、または禁止することが可能です。この場所は法的にはあくまで共用部分であり、その使用は非常時の避難経路の確保や建物の美観維持といった共同の利益を守るという大原則に従う必要があるからです。

 まず、制限や禁止を行う法的な根拠は、避難経路の確保や外観を損なうことによる共同の利益の侵害にあります。この二点を明確に規約または使用細則に盛り込むことが出発点となります。具体的な禁止や制限(例:設置できるサイズの上限、色の指定など)を設けるには、総会決議が必要です。

 実務上、この物置の撤去を最も円滑かつ効果的に進めることができるのは、大規模修繕工事のタイミングです。「工事に必須の足場設置や防水・塗装作業の邪魔になるから」という、誰にも反論できない工事上の必要性で、住民の納得を得やすい方法となります。

 また、大規模修繕以外にも、ルールを浸透させ実行に移す有効なタイミングがいくつかあります。広域での大規模災害が報道された直後など、安全確保の必要性に対する住民の意識が高まったタイミングも、避難経路に関する細則を徹底させるうえで効果的です。また、新しい居住者の方が入居される際も、入居時に改正後の規約・細則を徹底し、物置設置を最初からさせないことが大事です。

 管理組合としては、これらのタイミングを戦略的に活用し、「安全」を最優先の理由として、根気強く全居住者への周知徹底を進めてください。